ロシア軍機に初のフレア警告、無線通告では不十分と判断か…防衛省「警告の意図を明確に」

北海道・礼文島付近の空域で23日、1機の露軍哨戒機「IL38」が3回も領空に入る軍事的挑発ともいえる動きを見せた。同日夜に臨時の記者会見を開いた木原防衛相は、露軍の動向を厳重に監視する考えを示した。
露軍機による領空侵犯は、2019年7月に沖縄県・南大東島と東京・八丈島の付近で発生して以来となる。旧ソ連やロシア機(推定を含む)による領空侵犯は過去に43件起きているが、フレアを使って警告するのは初めてだ。
木原氏はその理由について「(無線による)通告あるいは警告をした後の相手の動き、状況に応じたもの」と説明した。防衛省幹部は、フレアの使用について「警告の意図を明確に伝えるための強度の高い措置」と明かす。
露軍機による危険な行動はなかったものの、空自は領空侵犯を繰り返す露軍機に対応するためには、無線などによる通告では不十分と判断したとみられる。
防衛省によると、22、23日には露軍と中国軍の駆逐艦など艦艇計9隻が礼文島付近の宗谷海峡を東に進んでいる。露軍は近年、中国軍との連携を深めており、今回の領空侵犯は、艦艇部隊と連携した動きの可能性がある。同省で警戒監視を続けるとともに、露側の意図などについて分析を急いでいる。

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