野村証券が国債取引で相場操縦の疑い、監視委が課徴金を勧告へ…「見せ玉」という手口か

証券最大手「野村証券」(東京)が、自社資金による国債の先物取引で相場操縦を行った疑いがあるとして、証券取引等監視委員会が25日午後にも、金融商品取引法違反で同社に課徴金を科すよう金融庁に勧告する方針を固めたことがわかった。
関係者によると、同社で自社資金を元手に取引を行う「グローバル・マーケッツ」部門で管理職だったディーラーが2021年頃、長期国債の先物取引で、実際には売買する意思がないのに大量の注文を出し、その後に取り消す「見せ玉」という手口で不正に価格を変動させ、利益を得た疑いがあるという。
監視委は、取引の資金や利益が同社に帰属し、業務時間中に行われていることなどから、ディーラー個人ではなく同社を勧告対象としたとみられる。勧告される課徴金は数千万円規模になる見通し。
金商法は、売買の意思のない注文をしたり根拠のないうわさを広めたりして、他の投資家を誤解させて相場を変動させようとする行為を相場操縦として規制している。
国債の先物取引を巡る証券会社の相場操縦は過去にも問題となっている。19年には、米金融大手シティグループ関連会社のトレーダーが見せ玉で不正に利益を得たとして、同社が約1億3000万円の課徴金を科された。18年には三菱UFJモルガン・スタンレー証券(東京)のディーラーが同様に見せ玉をしたとして、同社に約2億2000万円の課徴金が科されている。

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