「手足口病」が再増加で異例の流行 前年同時期の5倍超える感染者数 過去10年で最多

子供を中心に夏場に感染が広がる「手足口病」が、異例の流行状況にある。この時期は例年、減少傾向に入るが、9月から再び増加している。1医療機関当たりの感染者数は過去10年で最多で、東京など36都道府県で警報レベルに達している。厚生労働省などは手洗いなど基本的な対策の徹底を呼びかけている。
国立感染症研究所が24日に発表した集計(速報値)によると、15日までの1週間に、調査の対象となっている全国約3000の医療機関から報告された患者数は2万5143人。1医療機関当たりでは8・03人で、この時期としては過去10年で最多だった。昨年同時期は1・49人で、5倍超の水準だ。
東京(9・1人)や神奈川(10・81人)、愛知(10・45人)、長崎(9・07人)など全国36の都道府県で国の基準の5人を超えて警報レベルとなっており、最多は富山の21・41人。
厚労省によると、手足口病は手や足、口の中などに水ぶくれのような発疹ができるウイルス性の感染症。まれに脳炎などを起こして重症化することもある。毎年夏を中心に流行し、5歳以下の乳幼児が感染者の約9割を占める。
今年は全国的に感染が多い状況が続いていて、7月は1医療機関当たり12人前後で推移。同月をピークにいったん減少したが、8月下旬から再び増加に転じ、9月に入っても増え続けている。
今後も感染者数の増加傾向は続く可能性があり、同省は「アルコール消毒が効きにくいので、せっけんで手洗いし、タオルの共有は避けてほしい」などと呼びかけている。

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