9人が立候補した自民党総裁選は27日、投開票され、小泉進次郎元環境相(43)は1回目の投票で上位2人に入ることができず、決選投票に進めなかった。
勝利していれば43歳の総裁は史上最年少で、10月1日に召集される臨時国会の首相指名選挙で、初代内閣総理大臣の伊藤博文の就任時年齢44歳を抜いて、こちらも最年少の内閣総理大臣に就任するはずだった。しかし、総裁選の論戦で露呈した経験不足や発言のぶれへの懸念が、最後まで響く形になった。
1回目の投票で過半数(368票)を獲得した候補はいなかった。決選投票は、154票を獲得した石破茂元幹事長(67)と、181票を獲得した高市早苗経済安保相(63)の間で行われる。進次郎氏は136票で次点の3位だった。
5度目の挑戦で「最後の総裁選」と位置づける石破氏が勝てば「悲願」の総裁の座、高市氏が勝てば、「史上初の女性の自民党総裁」にのぼりつめる。
決選投票に進めなかった進次郎氏は2009年の初当選以来、「将来の首相候補」といわれてきた。今回、満を持して総裁選に初挑戦したが、総裁選の論戦を通じて発言のぶれや不安定さ、経験不足が激しく露呈。当初の「本命」から「失速」が伝えられる中で、投開票日を迎えた。
師と仰ぐ菅義偉前首相(75)の手堅い支援を受けたが、及ばなかった。
投開票に先立つ出陣式では「これが総力戦、これがチーム。感謝の気持ちでいっぱいです」と述べ、「至らない私を毎日励ましていただいた。最初は15日間は長いと思ったが、明日からこのチームでずっとやりたい。そういう気持ちでいっぱいです。それをかなえるには、勝つしかない」と、勝利への執念を口にしていた。
進次郎氏の選対事務所では関係者が集まり、投開票の様子を中継で見守った。進次郎氏が決選投票に進めないことが分かると、落胆の声が聞かれたが、進次郎氏の健闘をたたえ、拍手が起きた。
総裁選には、小林鷹之前経済安保相(49)、林芳正官房長官(63)、上川陽子外相(71)、加藤勝信元官房長官(68)、河野太郎デジタル相(61)、茂木敏充幹事長(68)も立候補していた。
▼議員票
小泉75
高市72
石破46
小林41
林38
茂木34
上川23
河野22
加藤16
▼党員票
高市109
石破108
小泉61
林27
小林19
上川17
茂木13
河野8
加藤6