JR大阪駅西口に隣接する大阪市北区の複合商業ビル「JPタワー大阪」の18階トイレで10月17日に20代男性が何者かに刃物で刺されたと訴えた騒動で、この男性が大阪府警の任意聴取に対し「自分で自分の左脇腹を刺した」などと供述していることが31日、捜査関係者への取材で分かった。
府警は当初、殺人未遂事件として捜査。騒動の直後には、容疑者が現場から逃走したと地域に伝えられ、近隣の小学校などでは教職員らが見回りを強化するなどの対応に追われた。府警は、偽計業務妨害容疑でこの男性を在宅のまま調べており、書類送検する方針。
騒動は17日午前10時35分ごろ発生。ビル内で勤務する会社員の男性(27)=奈良県天理市=が、何者かに腰付近を刺されたと訴え、実際に傷を負っていたことから病院に救急搬送された。
府警が周辺の防犯カメラなどを調べたところ、不審な人物の姿が確認されなかったことなどから、男性に対して改めて任意での聴き取りを実施。男性は「持っていたカッターナイフで刺した。すみませんでした」などと供述し、被害申告が虚偽だったと認めた。府警は動機などについても調べている。
騒動が起きた「JPタワー大阪」には、7月31日に開業したばかりの商業施設「KITTE大阪」などが入居。JR東海道線を挟んだ大阪駅の北側には、再開発地域「うめきた2期(グラングリーン大阪)」が広がり、多くの人々でにぎわっている。