2日、衆院の石破首相に対する各党の代表質問で「おや?」と思わせる場面があった。ふつう代表質問は党首クラスが登壇するが、国民民主党は無名の当選3回の浅野哲議員。「あいつ誰だ」とざわついた。玉木代表が登壇しなかったのは「不倫問題で謹慎中」(党幹部)というのがもっぱらだ。
そんな失速状態の玉木代表を見越してか、自民党は国民民主の要求を先送り、ウヤムヤにし始めた。
「103万円の壁」問題について石破首相はこう答えた。
「2025年度の税制改革の中で引き上げる。経済や税制への影響については、今後、議論を深めてゆく」
つまり「壁の撤廃」は最速で再来年から。それも景気を考えて小規模になりそうだ。
国民民主が要求する「ガソリン税減税」も、政府・与党は「来年末に議論する税制改正で検討する方針」で1年先送りだ。総選挙で国民民主が主張して議席を伸ばした公約は当分実施されない。
■「各党とは等距離」と説明
だったら玉木代表は「話が違う」とケツをまくるべきだ。他の野党と組んで、徹底した反自民になればいいのだが、それができない。玉木代表は先月末の政治改革に関する野党協議を欠席。それについて玉木代表は「野党から離れてないし、与党に近寄ってもいない。各党とは等距離だ」と説明した。
あはは、等距離って何? 少数与党の自民党は国民民主の協力で補正予算、さらに来年度本予算も成立させるつもり。そのおとりエサが「年収の壁」と「ガソリン減税」。国民民主に投票した有権者はバカを見る。
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国民民主党最大支援組織「連合」の芳野友子会長は、玉木代表に公の場で2度にわたり“ケジメ”を要求。事実上の辞任勧告とみていいだろう。●関連記事【もっと読む】『国民民主党・玉木代表まだまだ続く女難…連合・芳野友子会長にもケジメを迫られる』で詳報している。