「屋根が壊れているので直した方がいい」などとして高額な修理代金を請求する悪質リフォーム業者の摘発件数が、昨年は66件(前年比28件増)で、統計がある平成22年以降最多だったことが6日、警察庁のまとめで分かった。検挙人数は130人。また、こうした訪問販売やマルチ商法などの特定商取引に関する相談は1万7703件で、前年の1万1339件から約1・5倍に大幅に増加した。
悪質リフォーム業者は高齢者宅などを狙い、実際には修理の必要がなかったり、悪質業者がわざと壊したりした場合でも被害者が被害に気付きにくいことを悪用しているとみられる。交流サイト(SNS)でメンバーを募集するなどした「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」の関与が認められる事件も15件あった。
この他に、海外の投資事業や暗号資産取引への出資をうたうなどした利殖勧誘事犯の摘発や、転職・独立時に営業秘密を持ち出すなどの事案の相談件数が増加した。
警察庁の楠芳伸長官は6日の定例記者会見で、トクリュウの関与を視野に入れ、「部門の壁や都道府県の垣根を取り払い、組織の壊滅に向けて徹底した突き上げ捜査を行うなど、被害防止と検挙の両面で取り組みを強化していきたい」と述べた。