国民民主党・玉木代表が“パワハラ女性議員”のクビを切れない裏事情…グダグダ会見で露呈したガバナンス不全の深刻度

党勢好調の国民民主党だが、日刊ゲンダイが再三報じた千葉県連のパワハラ問題はくすぶったままだ。
パワハラを訴えられたのは、岡野純子衆院議員と県連幹事長の天野行雄県議だった。訴えたのは工藤由紀子浦安市議。2023年春の市議選で初当選した前後から無視されたり、高圧的な言動を受け続けた結果、24年5月に適応障害の診断を受けた。同7月に離党すると、彼女に同調する形で県連所属の地方議員3人が続々と党を離れた。
国民民主は今月12日に倫理委員会とハラスメント対策委員会による合同委員会を設置。事実確認を行っているが、遅きに失しており、本気で調べる気があるのか不明だ。なぜなら、玉木代表は昨年6月時点で工藤氏と面会。少なくともその時点でトラブルを把握したはずなのに、合同委の調査開始はつい先日だからだ。
議席が減ってしまう
日刊ゲンダイ記者は18日に玉木代表の会見で「なぜ調査を始めたのが先日なのか」と問うた。すると、玉木代表は「一義的には県連の問題なので、まずは県連レベルの対応に任せていた。ただ、納得できるものではなかったので、今般、党本部で(調査を)引き取った」と答えた。
県連は倫理委員会が調査を行い「パワハラはなかった」と結論づけたが、同委のトップはパワハラを訴えられた当人の天野氏だ。日刊ゲンダイが11日の会見でその点を指摘すると、玉木代表は「都道府県連の話なので必ずしも詳細に把握していない」と回答。要するに、パワハラ当事者が調査していた矛盾を知らなかったわけで、ガバナンス不全は明らかだ。
こんな調子で、岡野氏や天野氏にキチンとした調査を実施し、厳しい処分を下せるのか微妙だ。「玉木さんには岡野さんのクビを切れない事情があるんです」と言うのは、ある国民民主の関係者だ。
「国民民主は昨秋の衆院選で比例南関東ブロックで4人擁立し、3人が当選。うち1人が千葉5区で出馬し、比例復活した岡野さんでした。仮に彼女が辞職した場合、次点の平戸航太さんが繰り上げとなる。ところが、平戸さんは今夏の参院選への出馬で調整中なので、繰り上げ当選させる選択肢はあり得ない。つまり、岡野さんを辞職させると、繰り上げできる候補がいなくなり、他党に議席を譲るハメになる。シンプルに議席を失うわけです。それはできないでしょう」
やはり、ウヤムヤ決着か。
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