自身の疑惑告発文書問題を巡り、兵庫県の斎藤元彦知事が会見で初めてパワハラ行為を認め謝罪したことについて、知事の責任を追及してきた議会側からは一定評価する声が上がった。告発者対応についてはこれまで通り非を認めず、疑問視する県議もいたが、再度の不信任決議など進退に関わる動きには慎重姿勢が目立った。
斎藤氏は、第三者委員会に先立ち、今月4日に公表された県議会調査特別委員会(百条委員会)の報告書について「一つの見解」と表現、一部議員から「議会軽視」との批判も出ていた。
百条委の委員長を務めた奥谷謙一県議は、この日の斎藤氏の会見について「評価したい」とコメント。一方で公益通報者保護法違反の指摘を認めなかったことは「残念で、議会として対応を検討していく必要がある」とした。
県議会最大会派である自由民主党の北野実幹事長は斎藤氏が告発文書について「誹謗中傷性が高い」とする認識を変えなかったことに「改めてほしい」と要請。「議会に対する説明責任をしっかり果たしてほしい」と語った。
第2会派の日本維新の会の門隆志幹事長は昨年9月に続く再度の不信任決議の提出は「全く考えていない」とする一方、「(パワハラ行為をした場合)職員なら懲戒処分の対象となる。何らかの形で自分への処分を科すべきだ」と求めた。
公明党の越田浩矢幹事長は「第三者委が指摘した違法性を認めなかった部分は、恣意(しい)的な結論の取捨選択ではないか」と疑問視。「知事と対話しながら、混乱をどう収束させるかの議論が必要だ」とした。
立憲民主党の議員らでつくる「ひょうご県民連合」の迎山志保政調会長は「法の支配を否定しているかのようで為政者としてあるまじき対応」と厳しく非難。ただ現時点での再度の不信任決議案の提出は否定し、「会派を超えて今後の対応を考えていく」と述べるにとどめた。