再審無罪が確定した「布川事件」、判決内容を新聞と官報で公示せず…水戸地裁「誠に遺憾」

水戸地裁は28日、茨城県利根町で1967年に起きた「布川事件」の再審で、2011年6月に桜井昌司さん(2023年に76歳で死去)と杉山卓男さん(15年に69歳で死去)の無罪が確定した同地裁土浦支部判決について、刑事訴訟法で定められた官報や新聞への公示を行っていなかったと発表した。
同法では、再審で無罪が言い渡された場合、官報や新聞に掲載して、公示しなければならないと定めている。昨年11月に報道機関や一般人から問い合わせがあり、調査の結果、職員が対応を失念していたことがわかったという。
桜井さんと杉山さんの遺族に経緯を説明し、公示の準備を進めている。同地裁の河本雅也所長は「13年の長きにわたり、手続きがとられていなかったことは誠に遺憾。2人が亡くなった後の手続きとなり、申し訳なく思っている」とのコメントを出した。

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