和歌山市の障害者支援施設「ビンセント療護園」で、職員7人が利用者15人に虐待したとして、市は28日、障害者総合支援法に基づき、新規利用者の受け入れを6か月間停止する行政処分を行う。市幹部への取材でわかった。
施設は社会福祉法人「愛徳園」(和歌山市)が運営。ホームページによると、主に重度の身体障害がある入所者、通所者らに、入浴や食事、健康管理などのサービスを提供している。
市幹部らによると、市は昨秋、施設側から虐待事案があったと報告を受けた。その後、聞き取りや監査を行い、職員7人が利用者15人に対し、虐待していたことを確認した。
車いすに乗っている利用者の胸ぐらをつかんで引きずりおろし、首の周辺を圧迫したり、失禁した利用者に対し、「何ちびってんのや」と言って頭部をたたいたりした。利用者の耳や唇をクリップで挟んだケースもあった。市はこうした職員の行為について、虐待にあたると認定した。
施設は28日午前、読売新聞の取材に対し、「発表されてから対応する」とした。