相互関税、「政府は後手」首相に批判…立民・野田代表「首脳会談で詰めた議論がなかったということ」

米国のトランプ大統領による一方的な関税措置の発表を受け、与野党からは3日、迅速な対策や交渉の強化を政府に求める声が相次いだ。政府の対応が後手に回ったとの指摘も多く、批判の矛先は石破首相(自民党総裁)に向かっている。(谷口京子、伊福幸大)
「日本が米国経済に貢献していると信じていたし、米側もそれを信じてくれると思っていた。(相互関税24%は)大変厳しい数字だ」
首相官邸を訪れた自民党の小野寺政調会長は3日、首相から党でも対策を講じるよう指示された後、記者団にそう述べて厳しい表情を見せた。
自民はその後、小野寺氏をトップとする会議を開き、国内産業への支援策や雇用対策などをまとめる考えを示した。会議は「日米関係の深化に関する総合戦略本部」の名称だったが、「米国の関税措置に関する総合対策本部」に急きょ変更された。
「中小企業、小規模事業者を含む幅広い業界に影響が及ぶ可能性がある」。公明党の斉藤代表も3日の党会合でこう危機感をあらわにし、「影響を最小限に抑えるため的確なかじ取りを求めたい」と政府に注文をつけた。
与野党は、これまでの日米貿易協定との整合性などを巡って米国の対応を非難する姿勢でおおむね一致しているものの、政府の責任を問う向きもある。立憲民主党の野田代表は3日の党会合で、2月の日米首脳会談を振り返り「関税について詰めた議論が全くなかったということだ」と首相を批判した。
日本維新の会の前原誠司共同代表も、トランプ氏が就任当初から相互関税に言及してきたことから、「十二分な対応をしてこなかった政府は反省すべきだ」と指摘した。一方、国民民主党の玉木代表は党会合で、首相が速やかに訪米し、トランプ氏との首脳会談で事態を打開するよう要求した。
立民などからは、自由貿易を重視する日本の立場を国内外に示すため、国会決議を行う案も浮上している。

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