獣医師免許がないにもかかわらず販売用に飼育していた小型犬2匹に自分でマイクロチップを注入したとして、福岡県筑後市に住むブリーダーの女(39)が書類送検されました。
また、太宰府市に住む獣医師の男(71)も国の許可や届出なく犬用のワクチンやマイクロチップを女に販売したとして書類送検されています。
18日、獣医師法違反の疑いで書類送検されたのは筑後市に住むブリーダーの女(39)です。
女は去年8月、獣医師免許を持たないにもかかわらず、販売用に飼育するチワワ1匹とトイプードル1匹に、医療用のマイクロチップを自分で注入する診療行為をした疑いが持たれています。
また、ブリーダーの女に対して2023年10月から去年8月にかけて国の許可や届出なく動物用のワクチンやマイクロチップなど合計57万900円を販売したとして、太宰府市に住む獣医師の男(71)も薬機法違反の疑いで書類送検されています。
去年3月、警察に匿名で「獣医師ではないブリーダーが客に販売する予定の犬に獣医師の男から購入したワクチンやマイクロチップを注射している」との通報があり、事件が発覚しました。
取り調べに対し2人とも容疑を認めていて、ブリーダーの女(39)は「日々、犬の世話や交配などの作業があり、動物病院に連れていく時間がなかったので、自分でワクチンやマイクロチップを注射していた。時間を節約するためです。最低でも100匹くらいはやった」などと供述。
獣医師の男(71)は動機について「生活費を稼ぐため、ブリーダーの要望に応えることで往診業務を減らさないようにするために薬やマイクチップを販売した」などと話したうえで「2021年12月に動物病院を開院してから3年間で少なくとも80人のブリーダーやペットショップに販売して、約1000万円の売上があった」とも供述しているということです。
警察は2人の余罪についても調べるなどして、事件の全容解明を進める方針です。