兵庫県宝塚市内の自宅でクロスボウ（洋弓銃）を発射し、家族ら4人を殺傷したとして、殺人と殺人未遂の罪に問われた無職、野津英滉（ひであき）被告（28）は25日、神戸地裁（松田道別裁判長）で開かれた裁判員裁判の初公判で、起訴内容を認めた。
野津被告は2020年6月4日午前5時～10時10分ごろの間、自宅でクロスボウを発射。同居していた祖母好美さん（当時75歳）と弟英志（ひでゆき）さん（同22歳）、別の場所で暮らしていた母マユミさん（同47歳）の頭部に矢を命中させて殺害。伯母（55）にも首に重傷を負わせたとされる。
捜査段階では、「家族全員を殺すつもりだった」などと供述していたという。
神戸地検は20年7月から鑑定留置を実施。21年1月に刑事責任を問えるとして神戸地裁に起訴していた。
22年10～11月に公判期日が指定されたが、被告の心身の不調を理由に延期されていた。
野津被告は国内の通販サイトでクロスボウや矢を購入していたとされ、事件ではクロスボウの殺傷能力の高さが改めて注目された。
国はクロスボウの所持を都道府県公安委員会の許可制とする改正銃刀法を成立させ、22年3月に施行された。【木山友里亜】