元特捜部長、トヨタを賠償提訴 暴走死亡事故の原因は「車の欠陥」

2018年2月に東京都港区の路上で車を暴走させて歩行者の男性(当時37歳)を死亡させ、自動車運転処罰法違反(過失致死)などで有罪判決が確定した元東京地検特捜部長の石川達紘元被告(84)が、暴走は車の欠陥が原因だったとして、製造元のトヨタ自動車と販売会社に5000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
石川元被告は刑事裁判でも、事故は車の不具合が原因だとして無罪を訴えたが、退けられている。訴訟は21日に第1回口頭弁論が開かれる予定で、トヨタ側は請求棄却を求める答弁書を提出している。
石川元被告は7月28日付の訴状で、アクセルを踏んでいないにもかかわらず、車がいきなり発進したと主張。事故で自身もけがをし、100キロを超える暴走で恐怖を覚えたと訴えている。弁護士資格を失ったことも賠償請求の理由に挙げた。
ただ、刑事裁判の1審・東京地裁判決(21年2月)は車の不具合ではなく、石川元被告が誤ってアクセルを踏み込んだことが事故の原因だったと断定。石川元被告は禁錮3年、執行猶予5年の有罪とされ、東京高裁、最高裁も支持している。【巽賢司】

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