親が離婚した後の子どもの親権について父親と母親の双方に親権を認める「共同親権」を導入する要綱案が法務省の専門家会議で取りまとめられました。
現在の民法では、離婚後の子どもの親権者は母親か父親のどちらか1人にする「単独親権」が定められていますが、海外では両方が親権をもつ「共同親権」が認められている国もあります。
法務省の法制審議会できょう午後とりまとめられた要綱案では、現在の民法を改正し、離婚の際に夫婦で協議のうえ、「共同親権」か「単独親権」かを決めることができ、協議で決まらない場合は裁判所が親権者を指定するとしています。
一方、子どもへの虐待やDV=ドメスティック・バイオレンスなど「子の利益を害すると認められるとき」は「単独親権」を維持するとしています。
「親権」は、決まったあとでも子どもや親族が求めれば変更できるということです。
「共同親権」の導入をめぐっては、離婚後も元の夫婦がそれぞれ親権をもつことで子どもに関わり続けることができるとの意見がある一方、DV被害や子どもへの虐待が防げなくなるとして、当事者や弁護士らから否定的な意見も出ています。
また、要綱案では養育費について、不払いを避けるため、支払いが滞った場合は優先的に財産を差し押さえられるようにするほか、離婚時に取り決めがなくても一定額を請求できる「法定養育費」制度を設けるとしています。
要綱案が2月中旬の法制審総会で決定されれば、法務省は通常国会での法改正に向け手続きを進めることになります。