岸田文雄首相の後継を選出する自民党総裁選(9月12日告示、27日投開票)を巡り、小泉進次郎元環境相(43)は月末にも出馬を表明する方向で調整に入った。林芳正官房長官(63)は27日にも記者会見を検討。高市早苗経済安全保障担当相(63)は来週中を軸に表明する意向だ。それぞれの陣営関係者が22日明らかにした。
河野太郎デジタル相(61)は26日に出馬会見を開くと発表した。
小泉氏には、党内で知名度の高さや若さによる「刷新感」を期待する声が出ている。無派閥議員に影響力を持つ菅義偉前首相が支援する見通し。一方、要職経験の乏しさや環境相時代の発言などから、力量を不安視する声もある。
林氏は所属する岸田派議員らと23日に集まり、表明の時期を決定する。2012年総裁選に出馬しており、今回が2回目。衆院にくら替えする前に参院議員を5期務め、参院にも支持基盤を持つ。広範な政策分野に精通し、防衛相や農林水産相、文部科学相、外相を歴任。官房長官として日々の記者会見を無難にこなすが、発信力と知名度の向上が課題だ。
高市氏は21日夜、自身を支持する十数人と対応を協議。「力強い日本列島をつくるという目的に向かい頑張る決意だ」と出馬の意向を伝えた。陣営関係者は20人の推薦人確保にめどが付いたとした上で、出馬表明は来週中になる見通しだと説明した。
高市氏は党を代表する保守派の論客。21年の前回総裁選に、故安倍晋三元首相の全面的な支援を受けて初めて出馬した。「後ろ盾」を失って、党内にどこまで支持を広げられるかが焦点だ。
総裁選は10人超の名前が取り沙汰される混戦模様だ。小林鷹之前経済安保担当相(49)に続き、石破茂元幹事長(67)が24日に正式表明する予定。
上川陽子外相(71)は、所属する岸田派の会長だった岸田首相と首相官邸で面会。出馬を目指して推薦人集めに取り組んでいると伝え、首相は激励した。加藤勝信元官房長官(68)と野田聖子元総務相(63)はそれぞれ、二階俊博元幹事長と党本部で会談した。
[時事通信社]