岸田首相は21日夕、東京電力福島第一原子力発電所(福島県)の処理水の海洋放出を巡り、全国漁業協同組合連合会(全漁連)の坂本雅信会長らと首相官邸で面会し、海洋放出に理解を求めた。
首相は冒頭、「国として海洋放出を行う以上、(原発の)廃炉と処理水の放出を安全に完遂する」と述べた。その上で「漁業者が安心して 生業 を継続できるよう必要な対策をとり続け、(海洋放出が)長期にわたっても対応することをお約束する」と語り、風評被害対策に万全を期す考えを示した。
これに対し、坂本氏は「子々孫々まで寄り添って、(海洋放出が)長期にわたっても、国の全責任において必要な対策を講じ続けることを求める。我々の願いは漁業を続けていくことの一点だ」と述べた。
政府は月内に放出を始める方向だ。坂本氏らとの面会を踏まえ、22日にも関係閣僚会議を開いて放出日を最終決定する。