「ルフィ」などと名乗る人物が指示したとされる一連の広域強盗事件で、昨年5月に京都市の貴金属店で高級腕時計を奪ったなどとして、強盗罪などに問われた建築業、伊藤一輝被告(30)の裁判員裁判の第2回公判が22日、大阪地裁(岩崎邦生裁判長)で開かれた。検察側はルフィがテレグラムで被告に「5分後に突入」などと詳細に指示を出していたことを明らかにした。
一連の事件では、フィリピンから強制送還された今村磨人(きよと)被告(39)=強盗罪などで起訴=がルフィを名乗っていたとされる。伊藤被告は初公判で、京都事件や昨年3月に大津市内の質店に侵入しようとした建造物侵入未遂事件で「ルフィの指示を受けた」と述べている。
検察側は証拠調べで、秘匿性の高いアプリ「テレグラム」でのルフィと伊藤被告とのやり取りを説明。それによると、ルフィは《(組織内の)トップ》と自らの立場を説明し、グループ内での伊藤被告の呼び名を《何にしますか?ゾロ?》と提案していた。
大津事件では、ルフィが《伊藤君がボスで動いてもらいます》と、店舗の写真や住所などの情報を事前に送信。事件当日も《5分後に突入》《強行突破で頼みます》などと具体的な指示を出していた。
検察側は冒頭陳述で、ルフィが犯行を持ち掛けており、「従属的だった」とする一方、「実行犯として計画を立て、現場で指示するなど重要な役割を果たした」と指摘。弁護側は「細かくルフィから指示を受けていた」と従属的な立場であることを改めて強調した。