東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出を批判するような迷惑電話が、国内の公的施設や飲食店に相次いでいる問題で、東京都内の自治体などでは28日も中国の国番号「86」で始まる番号からの電話が相次いだ。
「区民サービスに支障をきたす恐れがある。非常に迷惑なのでやめてほしい」と、怒りをあらわにするのは、中央省庁が集中する霞が関や永田町などがある千代田区。区役所には海洋放出が始まった24日から28日にかけ、迷惑電話が1000件以上寄せられている。
区によると、25日の日中だけで計382件に上り、同日夜間には1~5分おきに着信があった。電話は中国の国番号「86」で始まる番号からのものだという。
件数は減っているものの、28日も午後5時時点で計81件の電話があり、区は28日、麹町署に情報提供した。
中野区役所には、24日夜から英語、中国語、日本語で怒鳴り、最後に日本語で「なぜ海を汚染するのか」と言う電話がかかってきている。25~27日に計約1700件もの電話があった。28日午前8時半~正午も26件が確認されたという。
また、都内の警察署や消防署でも中国からの嫌がらせとみられる電話が相次いでいる。東京湾岸署には25日夜~28日夕、警察署の代表電話に中国の国番号「86」で始まる番号から計約1270件の着信があった。
東京湾岸署幹部によると、無言電話のほか、中国語で一方的にまくし立てて電話を切ったり、日本語で罵倒したりする内容が多いという。