陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県)に所属していた五ノ井里奈さん(23)に対する強制わいせつ罪に問われた、元3等陸曹の男3人=懲戒免職=の公判が12日、福島地裁であった。被告人質問に臨んだ渋谷修太郎被告(30)と関根亮斗被告(29)は、免職前に行った五ノ井さんへの謝罪について、自らの意思からではなく自衛隊の「指導」を受けたものだったと述べた。謝罪文の内容も上司が添削したという。
被告らは初公判で、着衣の上から下半身を押し当てたことを否定し無罪を主張。この日の検察側の質問に対しても、渋谷被告は「当たったことはありません。断言できます」と述べた。
両被告は、五ノ井さんへの謝罪の前に陸自から想定問答を含む「謝罪要領」を手渡され、五ノ井さんへの土下座も求められたと明かした。謝罪の趣旨は、宴席の場で格闘技を用いて五ノ井さんを押し倒し「不快な思い」をさせたことだったと説明した。
五ノ井さんは閉廷後「不快くらいで収まる話ではない。その程度にしか受け止められていないことに強い怒りを感じる」と語った。