受験を控える子や親が戦慄を覚える事件だ。教え子の女子児童にわいせつな格好をさせて撮影したなどとして、大手中学受験塾「四谷大塚」の元講師、森崇翔(そうしょう)容疑者(24)が9月11日までに、警視庁少年育成課に強制わいせつと東京都迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで再逮捕された。
「森容疑者は現役の塾講師だった5月上旬、教室内で9歳の女子児童の両足を掴んで下着が見えるような格好にさせて、その様子を胸ポケットに差したスマートフォンで盗撮した疑いが持たれています。当日は児童の母親との三者面談。退塾を持ちかけた母親を別室で待たせた上での犯行というから呆れる」(警視庁担当記者)
それだけでも悪質だが、今回はそもそも再逮捕。8月には同じ児童に下着が見えるように体育座りをさせ、「頑張らないとお仕置きをされます」「お尻ペンペンされます」などと言うよう強要し、その様子を盗撮した疑いでも逮捕されている。
「森容疑者のスマートフォンには盗撮したとみられる小学2~6年の児童十数人の動画が保存されていました。こうした動画の一部は、森容疑者によって名前や学校名付きで数十人が参加するSNSのグループチャットに投稿されていた。それが児童の母親の知るところとなって警視庁に相談、発覚したのです」(同前)
昨年4月から中学受験を目指す小学生を相手に正社員の塾講師として勤務していた森容疑者。チャットには「感想をください」などとする書き込みとともに教室内などで盗撮したとみられる教え子の動画が共有されていたようだが、捜査関係者は「それだけではない」と断じる。
大学時代にひどい内容の鬼畜小説をネットに公開
「森容疑者は大学時代、自分で書いたとみられる小説をネットに公開している。塾のアルバイト講師の大学生が教え子の小学生を性奴隷にするというひどい内容のロリコン小説だ」
再逮捕後もネット上に残されていたその鬼畜小説では、隠しカメラ付き眼鏡で教え子を盗撮する妙にリアルな描写から始まり、小学生の処女を奪い、性奴隷にするというおぞましいストーリーが展開される。
「小説が現実を元にしたものなのか、妄想をつむいだ小説を現実化したのか。どちらにしても本人は容疑を認めており、こうした“過去”についても解明する必要がある」(同前)
折しも、こども家庭庁は性犯罪歴のある人物をリスト化し、雇用主が教師などを雇う際に照会ができる「日本版DBS」制度の創設を進めている。今月12日には有識者会議の報告書が公表されたばかりだ。
霞が関関係者は「照会の義務化の対象を学習塾などの民間に広げるか否かが今後の議論の焦点となる可能性があり、事件は間違いなく影響する」とみている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年9月28日号)