戸籍上の性別を変更するには生殖機能をなくす手術が必要とされている法律の規定が憲法に違反するか争われている申し立てで、最高裁大法廷は27日に弁論を開き、申立人側は、手術を受けずに性別変更を認めるよう訴えました。
戸籍上男性である申立人の女性は、性同一性障害特例法の性別変更の要件に生殖能力をなくす手術を求めていることは憲法に違反するとして、手術を受けずに性別変更を認めるよう求めています。
27日、最高裁大法廷で開かれた弁論で、代理人弁護士は、「手術を受けるとなれば身体的な苦痛や経済的な負担も引き受けなければならない」などと主張しました。また、これに先だち26日に非公開で行われた審問で、申立人は「わたくしの願い、心からの声を言わせていただきますと、私自身はもう男性の性としては生きていけません。もう戻れません。どうか、女性としての性別変更を認めてくださると私の人生は助かります」などと陳述したということです。
性別変更をめぐる手術の要件について最高裁は、2019年に「合憲」との判断を示しましたが、「憲法適合性は、不断の検討を要する」と指摘しており、今回、新たな憲法判断が示される可能性もあります。決定は年内にも出される見通しです。