奈良県三郷(さんごう)町発注の工事を巡って不正が行われた疑いがあるとして、大阪地検特捜部が公契約関係競売入札妨害容疑で、三郷町役場などを家宅捜索したことが4日、関係者への取材で分かった。工事契約の決裁ルートにいるとみられる男性幹部職員1人が、不正に関わった疑いで任意で事情を聴かれているという。特捜部は押収した資料を分析し、経緯を調べる。
町役場の捜索は3日朝から実施。地検の係官らは複数の部署に立ち入り、同日夜、資料の入った大量の段ボールを続々とトラックなどに積み込んで運び出した。
関係者によると、捜索はそのほか、町のポンプ場や福祉保健センターでも行われた。町内の複数の建設会社も捜査対象となっており、町発注工事を巡って談合などの疑いが浮上しているとみられる。
同町の森宏範町長(64)は産経新聞の取材に「家宅捜索されたことは真摯(しんし)に受け止める。不信感を招いてしまった責任を痛感しており、しっかりと検察庁には協力したい」とコメントした。