気象庁は10日、地震・火山の月例記者会見を開き、9日朝に太平洋沿岸で津波を起こした鳥島近海の現象について、観測された地震波の解析結果を明らかにした。下山利浩地震情報企画官は「普通の地震ではないと思うが、原因はまだ分かっていない」と話した。
地震でなければ海底の火山活動や地滑りなどが考えられるが、気象衛星ひまわりによる観測では噴煙や海面の変色を捉えられていないという。
鳥島近海では9日午前4~6時台に小さな揺れが続いたが、陸地で震度1以上を観測した地点はなかった。津波を起こした現象は午前5時25分ごろ発生し、小笠原諸島・父島で観測された地震波は初期微動のP波らしい波形は見られるが、主要動のS波を判別できない。地震の規模(マグニチュード=M)は通常津波を伴うM6級よりはるかに小さく、推定できなかった。同5時13分ごろにM5.2と推定できた地震波もあったが、津波との関係は不明。
[時事通信社]