事務職なのに防護服着て排泄介助・遺体移動、女性がうつ発症…労災認定

兵庫県宝塚市の介護施設に勤務する60歳代の女性が、新型コロナウイルスに感染した入所者の介護や遺体搬送などの業務によるストレスでうつ病を発症したとして、西宮労働基準監督署(兵庫県)から労災認定されたことがわかった。
代理人の弁護士らによると、施設では2021年4月、入所者と職員計53人がコロナに感染し、うち9人が死亡したクラスター(感染集団)が発生した。女性は事務職だったが、人手不足から介護職員の応援を命じられ、防護服を着て感染した入所者の食事や 排泄 を介助したり、遺体を移動させる作業を行ったりした。
女性は同年5月に本来の仕事に戻ったが、遺体の光景がフラッシュバックするなどし、食欲不振や不眠に陥り、6月に医療機関で抑うつ状態と診断された。
女性は昨年8月、労基署に労災を申請。労基署は今年5月、「感染に対する恐怖を感じながら業務に従事し、遺体の移動作業も心理的負荷は大きかった」として労災と認めた。女性は現在休職している。
施設を運営する社会福祉法人は「コメントは差し控えたい」としている。

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