〝やる気満々〟細田博之氏に地元の党関係者&有権者困惑も…後継候補者探しに着手せず

健康不安を抱える自民党の細田博之衆院議長(79)の動向に島根の党関係者や有権者が振り回されている。
細田氏は7月下旬、自宅で熱中症の症状を訴え、救急搬送された。翌8月には広島の原爆死没者慰霊式や全国戦没者追悼式を欠席。先月7日には、脳血管系の予防治療として都内の病院に入院した。
退院後、議長職に復帰したが、体調不良を理由に辞意を固めた。ただ次期衆院選への出馬は「元気だ」として続投を表明している。
体調面以外でも、細田氏には判然としないことがある。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係が取りざたされ、選挙の集票を差配した疑惑や、週刊文春が報じた女性記者へのセクハラ疑惑だ。いずれも疑惑を否定する文書2枚を公表したのみで、本人はダンマリを決め込んでいる。
島根の自民党関係者によると、議員の進退について「最高幹部以外にはいまだ一切の説明がない」。ようやく13日に都内で記者会見し、地元へは28日に党関係者向け説明会を開く旨を伝えてきたという。
「そもそも、一昨年秋の衆院選の際、細田陣営は『最後の選挙をよろしくお願いします』と言って回ったのに、続投するという手のひら返しへの説明がない」と指摘するのは、地元の古参支持者。
細田氏は〝保守王国〟島根で当選11回を数え、強固な地盤がある。それだけに地元入りするのは年数回で、党県連関係者との接点も限られていて、聞けば「何を考えているのかよく分からない」という。
地元の野党筋は「選挙直前まで出馬をほのめかし地盤を固めておき、突然引退して余勢で後継候補を当選させるのが、昔から島根の自民党の戦略だ」と警戒を強めている。
ただ、細田氏は「政治家への執着が人一倍」と党関係者。やる気満々の本人に応じ、実際には地元側も後継候補者探しに全く着手していないのが実情だ。

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