町長が100万円寄付 公選法違反疑い…「神様に失礼」と改めず

愛媛県久万高原町の河野忠康町長(72)が、町内の神社に100万円を寄付していたことが12日、取材で判明した。選挙区内での寄付行為を禁じる公職選挙法(寄付の禁止)違反の疑いがある。河野町長は毎日新聞の取材に寄付したことを認め、「氏子の一人として神社のためにと思って寄付した。法律に違反しているという認識は頭になかった」と話している。
関係者によると、寄付は同町菅生にある三島神社の1250年記念事業として、拝殿などの修繕費の名目で氏子を対象に募集があり、河野町長は指定口座に振り込んだ。22年度に修繕が行われ、23年に神社の境内に記念の石碑が完成し、100万円の寄付者の欄に他の氏子とともに「河野忠康」の名前が彫られていた。事業の完了を祝う式典で石碑がお披露目され、河野町長も出席していた。
町民らは「大きな領収書のよう。公人が堂々と寄付するなんて信じられない行為」と憤っており、有志が近く県警久万高原署に告発状を提出する予定。
河野町長は取材に対し「こんなに大きな石碑が建つとは思わなかった。票集めの目的は一切ない。神様に失礼なので、お金を返金してもらうつもりもない」と話した。同町では、町議長も町内の寺に50万円を寄付したとして公職選挙法(寄付の禁止)違反容疑で書類送検されている。町議長は事実を認め、寄付の返還を受けた。
河野町長は国会議員秘書を経て県議を17年務め、16年に初当選。20年に再選を果たしていた。【広瀬晃子】

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