中国の高校体育祭で安倍氏銃撃事件の“寸劇”?エスカレートする「愛国教育」が影響か

中国の高校の体育祭で安倍晋三元総理銃撃事件を“寸劇のようにして再現”した様子が、SNSに投稿されました。 中国のSNSに投稿された、山東省にある高校2年の体育祭で撮影されたとみられる映像。拍手で迎えられたのは、黒いスーツの生徒。その顔をよく見てみると、安倍元総理の顔なのか?お面を付けています。 お面をつけた生徒は日本語をまねたデタラメな言葉で演説を始めたところ…画面手前に黒のパーカーを着た生徒が現れ、ポケットから取り出した拳銃のようなもので発砲する真似をし、さらに壇上に近づくと再び発砲するようなしぐさを見せ逃走。お面をつけた生徒は壇上から落ちて動かなくなりました。会場からは大きな拍手と歓声が上がっています。 また、お面をつけた人物が倒れると、生徒たちが横断幕を持って登場。書かれていたのは、『2発の銃弾で死体が冷たくなり、汚染水を海に放出して将来の災いを残す』と、福島第一原発の処理水放出を批判する内容となっていました。 高校側も容認していたのでしょうか。一連の真意を確かめるべく、10月13日、ジャーナリストの武田一顕氏が高校に電話をすると… (武田氏)「……電話に出ません」 次に、この学校を管轄する市の教育局に電話しました。 (武田氏)「こんにちは。教育局でしょうか?私は日本の記者です。棗荘市の高校の…」 (教育局)「取材は受け付けません」 (武田氏)「ちょっと聞きたいんですけど……切られてしまいました」 13日放送のMBSテレビ『よんチャンTV』に出演した武田氏は、この“寸劇”の動画について、「ここまでナショナリズムというか中国の国粋主義みたいなものが突っ走ってきていることが、この動画の非常にこわいところ」と指摘。また、この“寸劇”がなぜ行われたのか、学校はなぜ止めないのか、という点については「習近平政権によって愛国教育がエスカレートした」と分析します。武田氏は「愛国=反日の側面があり、それがどんどん突っ走っていって、こうしたおかしな寸劇にまで発展してしまった。中国の国内では、この動画が出たとき、賛美するコメントも多かった。しかし、当然、中国の中にもまともな人がいて、『これはヘイト教育だ』『そこまでいくのはおかしい』という人たちもいるので、そういう人たちの流れがブレーキをかけてくれることを祈るしかない。一強独裁の習近平氏の顔色をうかがっている結果、愛国教育も変な方向にいってしまう。それを避けなければならない」とコメントしています。・武田一顕:ジャーナリスト 元TBS記者で元JNN北京特派員 中国情勢に精通 小渕内閣以降の歴代政権を取材 愛称は「国会王子」

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