家裁で妻刺殺、夫に無罪=「心神喪失状態」―東京地裁

東京家裁の玄関で妻を刺殺したとして殺人などの罪に問われた米国籍の男性被告(37)の裁判員裁判判決が20日、東京地裁であった。向井香津子裁判長は「統合失調症による妄想・幻聴の影響で行われたもので、心神喪失状態にあった」と判断し、無罪(求刑懲役22年)を言い渡した。
弁護側は統合失調症の影響で心神喪失だったとして、無罪を主張していた。
向井裁判長は「統合失調症が悪化する中で、被害者を殺さなければ被害者や息子が拷問されて殺されるという妄想が強まり、当日に『やる時間だ』という幻聴が生じていた」と指摘した。
言い渡し後、向井裁判長は被告に「自分のしたことについて、いつか必ず向き合ってもらいたいと思います」と説諭した。
被告は2019年3月20日、東京都千代田区の東京家裁玄関で、離婚調停中だった妻=当時(31)=をナイフで切り付けて殺害したとして起訴された。
新河隆志・東京地検次席検事の話 判決内容を十分検討して適切に対処したい。
[時事通信社]

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