東京電力は23日、福島第一原子力発電所の処理水について、2回目の海洋放出を完了した。1回目に続き、周辺海域の海水や魚類のデータに異常はみられなかった。東電は今年度にあと2回の放出を計画しており、今後、3回目の放出時期を決める。
東電の計画では、今年度は貯蔵量の約2%にあたる約3万1200トンを4回(各回約7800トン)にわけて放出する。1回目は8月24日~9月11日に実施し、2回目は今月5日から放出を始めていた。
23日午前から、放出設備の配管に一部残っていた処理水を真水で押し出す作業を開始し、正午過ぎに終えたという。
2回目の放出でも、政府や東電が周辺海域の海水や魚類を採取し、放射性物質トリチウム(三重水素)などの濃度を調べたが、いずれも国の排出基準などを大きく下回った。国際原子力機関(IAEA)も16日から海水などを採取しており、今後分析を進める。IAEAの分析には、放出に反対している中国の分析機関も参加している。