自民党安倍派の政治資金収支報告書の訂正を巡り、同派の塩谷立座長は1日、党本部で記者団に「(派閥の)解散業務を責任を持ってやっていくことが第一だ」と述べ、事件の責任を取る形での離党や議員辞職を改めて否定した。派閥からの不正なキックバック(還流)が続いた経緯については「裁判に関わる」として、回答を避けた。
同派は1月31日に収支報告書を訂正したが、同派幹部は記者会見など公の場での説明を行っていなかった。塩谷氏は理由について、「収支報告書を見ていただいた方が分かりやすいということだ」と述べた。
塩谷氏はこれに先立ち、党本部で開かれた同派総会のあいさつで、「国民の皆様に政治不信を招いたことを改めて深くおわび申し上げる」と陳謝した。
同派の不正還流を巡っては、下村博文・元事務総長が1月31日の記者会見で、2021年に同派会長に就いた安倍元首相が廃止方針を示したものの、安倍氏が22年7月に死去した後に再開された経緯の一部を明らかにした。下村氏によると、安倍氏は22年4月、当時同派幹部だった塩谷氏、下村氏、西村康稔氏、世耕弘成氏と開いた会合で廃止方針を打ち出した。同年8月に安倍氏を除く同じメンバーで協議した際には結論が出ず、慣例に従って還流が続いたという。
塩谷氏は協議の事実を問われ、「集まって話したことはあった」としつつ、具体的な内容については回答しなかった。