2023年6月末からの大雨で被災して一部区間で運休が続くJR山陰線を巡り、JR西日本は27日、今後の復旧の見通しを発表した。先に復旧工事を終えた区間から6月下旬~7月上旬に運転を再開させ、25年度中の全工事の完了と全線の運転再開を目指す。
運休が続く山陰線の長門市―小串駅間の約50キロでは、線路への土砂の流入など69カ所の被災を確認。粟野川に架かる下関市の「粟野川橋りょう」では、5本ある橋脚のうち中央の1本が1・4メートル傾いた。調査結果を踏まえ、JR西は復旧に向けた検討を進めた。
計画では、長門市―人丸駅間と滝部―小串駅間の2区間で先行して部分復旧。23年度中にも順次、線路内に流入した土砂の撤去などの工事に入り、3カ月程度で完了させる。残る人丸―滝部駅間は、粟野川橋りょうの傾いた橋脚の改築などを実施。着工の時期は決まっておらず、県との復旧に向けた協議や設計など準備が整い次第着手し、1年半ほどで完了する見通しだ。
被災した区間は利用者が元々少なく、JR西は復旧と併せて持続可能性の確保などについて沿線自治体と協議するとしている。山口県下関市の前田晋太郎市長は「全線復旧のめどがたったことに安堵(あんど)している。部分運行は今夏ごろからの再開と聞き、沿線住民の不安解消につながるものと思う」とコメントした。【脇山隆俊、橋本勝利】