百貨店の「大丸」をかたり、高齢者のキャッシュカードや通帳をすり替える手口で盗み、現金を引き出したなどとして、福岡県警は16日までに男3人を逮捕しました。 窃盗などの疑いで逮捕されたのは、大阪市の会社役員、李井勝(り・せいしょう)こと鈴木昇容疑者(32)と兵庫県神戸市の会社役員で中国籍の李鑫(り・しん)容疑者(37)、住居不定・無職の喜多紘史容疑者(31)です。 警察によりますと、3人はいずれも氏名不詳の人物らと共謀し、李容疑者と喜多容疑者は去年8月、全国銀行協会や百貨店の「大丸」をかたり、福岡市中央区の90代の女性の家でキャッシュカード1枚と通帳1冊をすり替える手口で盗み、市内のATMから現金50万円を引き出し盗んだ疑いです。 また、鈴木容疑者と喜多容疑者は去年8月、同様の手口で高知市の80代の女性からキャッシュカード2枚と100万円を盗んだ疑いが持たれています。 さらに、喜多容疑者は去年9月、同様の手口で北九州市戸畑区の80代の女性から通帳1冊を盗んだ疑いです。 いずれの事件でも「クレジットカードが偽造されている可能性がある」「再発行した方がいい」などとウソを言って、口座の情報や暗証番号、残高を聞き出していたということです。 喜多容疑者はSNSで「高額報酬」をうたう、いわゆる「闇バイト」に応募したということで、金を引き出す「出し子」役とみられています。ほかの2人は現金の回収役だったとみられています。 警察の調べに対し、喜多容疑者は容疑を認めていて、李容疑者は「よく分かりません」、鈴木容疑者は「全く身に覚えがないこと」と話し、容疑を否認しているということです。 警察は、手口などから中国人グループが関わっている可能性を視野に、さらに捜査を進める方針です。 福岡県内では去年1年間で百貨店をかたるニセ電話詐欺が33件発生し、被害額はおよそ3000万円に上っていて、警察が注意を呼びかけています。