世界文化遺産への登録を目指している『佐渡島の金山』について6日、ユネスコの諮問機関であるイコモスから出された“勧告”は「登録」ではなく、追加情報を求める「情報照会」でした。
「情報照会」としてイコモスから主に求められたのは、以下の3点です。○相川上町の北沢地区を資産範囲から除くこと○「相川鶴子金銀山」の緩衝地帯を沖合に拡張すること○鉱業権の所有者が商業採掘を再開しないこと
そのほかにも配慮するよう求められた“追加的勧告”が8項目ありました。
そのうちのひとつが、「全体の歴史を現場レベルで包括的に扱う説明、展示戦略を策定し、施設・設備等を整えること」という文言です。
『佐渡島の金山』をめぐっては、韓国が朝鮮半島出身者の強制労働があった場所だと主張し、世界文化遺産の推薦に反発してきました。
4月に花角知事と面会した韓国の尹徳敏（ユンドクミン）駐日大使は…【韓国 尹德敏 駐日大使】「反対をしているわけではない。彼らのいろんな犠牲もあったと思うんですけど、そこに関しての詳しい案内はないですよね。立派なところもあるんですけれども、マイナスの歴史もあるわけですから、全体の歴史をなんとか表示できるような形でやる必要があるんじゃないかと」
韓国側が主張する戦時中の強制労働を含む“全体の歴史”を示すことや、「追悼の場」を設けることを要望しています。
6日夜に空かれた会見で文化庁は、「勧告には特定の国名は示されていなかった」と説明していて、追加的勧告として指摘された“全体の歴史”については「どのような範囲として示していくのかを関係省庁と検討していく」としています。
林官房長官は…「登録実現に向けて何が最も効果的かという観点から総合的に検討を行い、政府一丸となって対応してまいります」と述べたうえで、