「オレの欠点は短気」郵便局員を木刀で暴行、殺人未遂で逮捕のカスハラ男 “もうひとつの顔”

「話し好きで愛想のいい人。剣道経験者ではないはずだし、木刀を振り回すことなど一度もなかった。むしろ、どうして木刀なんか持っていたのか不思議でしょうがない」
と知人男性が首をかしげるのは、千葉県警船橋署が殺人未遂容疑で現行犯逮捕した同県船橋市の自称自営業・笹谷三男容疑者(64)のこと。同署によると、7月14日午前10時18分ごろ、自宅に配達に来た郵便局員の男性(38)と玄関先で口論になり、頭を木刀で殴って殺害しようとした疑いが持たれている。
木刀で殴り殺そうとしたカスハラ男
「別件対応でたまたま現場近くにいた警察官がいさかいを察知し、事情を聞いたところ、木刀でヘルメット越しに頭を一発殴ったことを認めた。剣先で小突いてもいる。
木刀を用いたことについては“殺すためなんだよ”などと話し、以前からトラブルがあったという。配達時にその謝罪がなかったので腹が立ったなどと話しており、トラブルの詳細や犯行に至る経緯などを調べている」(捜査関係者)
郵便局員は木刀を取り上げ、それ以上の暴行を許さなかった。ヘルメットのおかげか、局員にケガはなかったという。
現場周辺の住民らの証言によると、この事件の少し前に近くで車上荒らしが発生し、警察官が来て調べている最中だった。
容疑者は築約30年の賃貸マンションで10年以上ひとり暮らし。家賃約4万~5万円のワンルームで、週1回は大きな洗濯かごを持ってコインランドリーに出かけた。これまでに夜間警備員や建設作業員の仕事に就いたことがあるという。
「趣味はスーパー銭湯通い。どこそこの風呂がいいと教えてくれたり、“なじみの銭湯には知り合いが多いから、行くとよく話しかけられるんだよ”とうれしそうだった。サウナやジャグジーで疲れた身体をメンテナンスしていたのだろう。“仕事をやりすぎちゃって病院に通っているんだ”と話していたから。乱暴な男ではないんだけれども、自分で“オレの欠点は短気なところなんだ”と話したことがあった」(冒頭の知人男性)
休日はTシャツなどラフな服装で過ごし、たまに友人と連れ立って飲みに行くときは少しきれいめな服に着替えた。
別の知人が言う。
「他人にあーだ、こーだと注文をつける場面を見たことがありません。お土産にどら焼きをくれたり、自宅マンションの共用通路を率先して掃除したり、気配りのできる人です。誰しもカチンとくることはあるじゃないですか。そこで踏みとどまれなかったのかな」
故郷は青森県で、お盆休みや正月にはよく帰郷し、大間のマグロを知人宅におすそ分けすることもあった。
逮捕後、心配した親族は上京して警察に出向いたようだ。
セクハラ、パワハラ防止などハラスメント意識が社会に定着する中、横暴に振る舞う客のカスタマーハラスメント(カスハラ)から従業員や職員を守る企業や行政の取り組みが注目されている。厚生労働省はカスハラ対策の法制化に向けて議論を進めているほか、東京都は自治体として初めてカスハラ防止条例案を9月の議会に提出する見込み。
“お客さまは神様”とばかりに上から目線で不当な要求をしたり、暴言を吐くことなどあってはならない。
木刀で殴るなどもってのほかだ。

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