3年前、いじめを受けていた旭川市の女子中学生が自殺した問題。再調査委員会の報告書が市議会で公表され、当時のいじめの詳細が明らかになりました。
市長)
「14歳の女子生徒の尊い命を救うことができなかったことに対し、旭川市を代表し、心からお詫びを申し上げます」
13日に旭川市議会で公表されたおよそ370ページにわたる報告書。2021年3月、市内の公園で当時中学2年生だった広瀬爽彩さんが自殺し凍死した状態で見つかった問題で、自殺に至るまでの詳しい経緯が明らかになりました。
一度市教委の第三者委員会が調査し、いじめとの因果関係は不明と結論づけた爽彩さんの自殺。遺族側は調査を不十分とし、旭川市長のもとでおととし12月から行われた再調査。教育評論家の尾木直樹さんや弁護士らがいじめと自殺との因果関係などを調べ直しました。その結果、7項目がいじめと認定され、今回新たに教室での同級生による悪口などが明らかになりました。報告書には頭がおかしいことを意味する「あたおか」という悪口を言われていたことなどが克明に記されています。
再調査委)
「当該生徒の孤立感を生み、クラス外、学校外の人間関係に依存する大きな要因となった。このいじめの認定は重要だった」。
再調査委員会は「いじめは自殺の『主要な原因』であった可能性が高い」と結論付けました。
また、当時の学校と市教委の対応を厳しく非難。「いじめの認定ができなかったのではなく、積極的に認定をしなかった」と言及しました。報告書の公表を受け市教委は「いただいた指摘を真摯に受け止め必要な対応の検討を進めてまいります」とコメントしています。
今回の公表について爽彩さんの遺族は。
遺族)
「今回の公表で娘がなにに苦しみ何に悩んでいたのか、また娘が抱えていた特性が皆様の身近にあること、また皆様がどこの地域でも起こりうることだと感じていただき、今後このようなことが繰り返されることがないよう役立てていただければと思います」。
市によりますと、今回公表された報告書は関係者の氏名や性的ないじめに関して言い換えた部分など、市に答申された実際の報告書の5%ほどの分量が非公表になっているということです。