福岡県水巻町で起きた強盗殺人事件をめぐり、姉を殺害したなどとして逮捕された妹が「(同時に逮捕された)知人の女に十数年間様々な名目で金を渡していた」などと供述していることがわかりました。妹は路上生活を送っており、警察は、事件の背景に妹と知人の女のいびつな人間関係があったとみて捜査しています。
◆手足を拘束された遺体、首を絞めて殺害後に通帳を奪ったか
今年6月、水巻町の町営住宅の一室で、この部屋に住む辻つぐみさん(52)が遺体で発見されました。辻さんは、手足を結束バンドで拘束され、部屋は荒らされていました。
近所の人「居間のところでうつぶせになった状態で倒れていた。物取りが入ったみたいな感じ」
事件から約2か月半が過ぎた今月18日、強盗殺人の疑いで3人の女が逮捕されます。殺害されたつぐみさんの妹辻和美容疑者(51)と、和美容疑者の知人で無職の岡村恵美容疑者(46)、娘の岡村愛香容疑者(24)です。3人は共謀してつぐみさんの首を絞めて殺害し、通帳などを奪った疑いが持たれています。防犯カメラなどの捜査から警察は、妹の和美容疑者がつぐみさん殺害の実行役。岡村容疑者親子は現場まで送り届ける送迎役や拘束バンドを事前に購入する準備役を担ったとみています。
◆ホームレスの“妹”通帳から引き出した大半を岡村容疑者に渡す?
警察の捜査の過程で事件の背景に、いびつな人間関係が浮上しました。
RKB下濱美有「和美容疑者は、岡村容疑者に十数年間にわたって様々な名目で金を渡し続けていたということです。和美容疑者は公園などで路上生活をしながら、北九州市の黒崎で仕事もしていました。その給料も岡村容疑者に渡っていたとみられています」
捜査関係者によると、和美容疑者と岡村容疑者は20年以上前に職場で知り合いました。和美容疑者は取り調べに対し、こう供述したということです。
和美容疑者「岡村容疑者に十数年間にわたり様々な名目で金を渡し続けていた」
10年以上前から生活に困窮し路上生活をしていた和美容疑者。路上生活をしながら働き、その給料も岡村容疑者に渡していたとみられています。そして、今回の強盗殺人事件でもつぐみさんから奪った通帳から引き出したとされる約70万円の大半が、岡村容疑者に渡っていたということです。容疑者2人の間に何があったのか、警察は、2人のいびつな人間関係が強盗殺人事件につながったとみて事件の全容解明を進めています。