元資生堂社長、福原義春氏死去 会長も歴任、創業者の孫

国内化粧品トップ資生堂の社長、会長を歴任し、芸術文化活動を支援する文化人経営者としても知られた同社名誉会長の福原義春さんが8月30日午後2時0分、老衰のため死去した。92歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。後日、お別れの会を開く予定。
資生堂が5日発表した。創業者福原有信氏の孫で、慶応大卒業後の1953年に資生堂に入社。取締役外国部長などを経て87年に社長に就任した。化粧品の値崩れ要因となっていた過剰な流通在庫を大幅に圧縮する経営改革を断行。社員公募による経営改革室の設置や、社員が働きやすい制度の導入といった先進的な取り組みも進めた。
資生堂が小売店に対して定価販売を求めたことが独禁法違反に当たると公正取引委員会に指摘された際には、勧告の受け入れを決断。化粧品業界で定価廃止の動きが広がった。
97年に会長となり、2001年に名誉会長に退いた。東京商工会議所副会頭や企業メセナ協議会会長、東京都写真美術館長など多くの公職を務めた。著名な文化人として講演や執筆も積極的に手がけた。

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