東京電力福島第1原発の処理水を海に放出する方針について、岸田文雄首相が、 全漁連(全国漁業協同組合連合会)の坂本会長ら漁業関係者と首相官邸で面会した。
岸田首相は、福島第1原発からのALPS(アルプス)処理水の海への放出を安全に完遂すると述べた。
そのうえで、漁業者が安心して生業を継続できる対策をとり、「今後数十年かかろうとも、全責任を持って対応することを約束する」と述べ、理解を求めた。
これに対し、全漁連の坂本会長は、冒頭ALPS処理水の海洋放出に反対する考えを表明した。
続いて、科学的な安全性への理解は深まってきたとしつつも、「科学的に安全だからといって、風評被害がなくなるわけではない」と、漁業者の不安を伝えた。
そのうえで、ALPS処理水の放出により、今後数十年にわたり国の全責任において必要な対策を講じ続けることを強く求めると述べ、岸田総理は、今後数十年の長期にわたろうとも、政府が責任を持って対応すると重ねて強調した。
岸田総理から、具体的な海への放出の日付については言及はなかった。 政府は月内にも、海への放出を行う方針とみられる。