鳥栖市“両親殺害”で懲役28年を求刑 19歳長男「償いの道を考え続けていきたい」

ことし3月、佐賀県鳥栖市で両親を殺害した罪に問われている19歳の長男の裁判員裁判で、検察側は9月7日、懲役28年を求刑しました。法廷で長男は、「償いの道を考え続けていきたい」と述べました。
19歳の長男は九州大学の学生だったことし3月、鳥栖市の住宅で両親の胸などをナイフで複数回刺し、殺害した罪に問われています。
これまでの裁判で長男は、小学校低学年のころから始まった父親の暴力や人格否定の言葉への報復が父親殺害の動機とし、「母親への殺意はなかった」と話していました。
7日の論告で検察は、父親の殺害を止めようとしていた母親を、長男が複数回、強い力で刺していることなどから、母親が死ぬことはやむを得ないと考えていたと指摘しました。さらに計画的で執拗な犯行で極めて悪質な2件の殺人事件だとして、懲役28年を求刑しました。
一方、弁護側は「父親の“虐待”による事件だ」として、少年院などでの更生を目指す『保護処分』が相当で、刑罰を科すとしても懲役5年だと主張しました。
最後に裁判長から「述べておきたいことはあるか」と問われると、長男は「具体的にどうすれば償いになるのか分かりません。必死に考えることで償いの一部になると考え、償いの道を考え続けていきたいと思います」と事件への後悔の気持ちを語りました。
判決は9月15日に言い渡されます。

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