H3の打ち上げ失敗原因、3つに絞り込む JAXA、文科省に報告

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、日本の次世代ロケット「H3」初号機の打ち上げ失敗の原因を、最終的に、第2段ロケットのエンジン点火装置や機体制御システムの漏電、ショートなど3つに絞り込んだと、文部科学省の有識者会議に報告した。
いずれも絶縁の強化や部品の見直しで再発防止が可能で、2号機以降の設計に反映させるとし、妥当だと了承された。
今年3月に打ち上げられた初号機は第1段・第2段ロケットの分離後、電気回路の異常を機体制御システムが検知して第2段のエンジンが着火せず、飛行不能になった。
JAXAは、想定されるあらゆる原因を検証。①第2段ロケットの点火装置内の絶縁不足による漏電②点火装置の部品の故障によるショート③機体制御システムの部品の故障によるショート-のいずれかが発生し、過電流が生じて異常が検知されたと結論づけた。
点火装置は、絶縁や検査の強化、使用する部品の見直しなどの対策を行う。機体制御システムは故障につながる部品を回路から除去することで、再発を防ぐという。
JAXAは今後、これらの対策をした上で、真空環境でも点火装置や機体制御システムが正常に動作するか、検証試験を実施して対策の妥当性を確認。H3の信頼性を向上させ、2号機の早期打ち上げを目指すという。

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