デートの見返りにお金を援助してくれる男性を探す、いわゆる「パパ活」をする女性を対象に、男性から金銭をだまし取るマニュアルを販売したとして愛知県警中署は、住居不定、自称風俗店店員、渡辺真衣容疑者(25)を詐欺ほう助容疑で逮捕した。渡辺容疑者は「相談会」と称しSNS上でライブ配信。参加したことのある18歳のパパ活女子が24日、毎日新聞の取材に応じ、渡辺容疑者いわく「魔法をかける」というテクニックの一端を明らかにした。
2021年12月、渡辺容疑者は「頂き女子りりちゃん」として開いた相談会で「情報商材(マニュアル)と『おぢ』から頂いたお金で3億円くらい稼いだ」と語った。
おぢとはお金を貢ぐ男性の呼び名で、渡辺容疑者が使い始め、パパ活女性の間で広まっているという。
相談会で渡辺容疑者は「頂き女子」になる手順を説明。「まず相手の気持ちに寄り添って家族のような関係を築くことが大事」と語り、相手と信頼関係を築くことを「りりコミット」と表現した。
信頼関係を築いた後は「おぢに興味があるということをアピールする」「色恋会話をすべき」などとアドバイス。そして関係を構築した後でお金の話を持ちかけるという。
金銭に困っていることを相手に伝えた上で、友人や家族への借金を早急に返したい▽働いている店への借金を返さなければ辞めさせてもらえない――などと同情を誘うような理由を話す。
ポイント、ターゲットを語る
自分の弱みを見せることがポイント。その上で「自分で何とかする」と告げると、相手は自発的に金銭援助を申し出てくれるようになるという。渡辺容疑者はこれを「魔法をかける」と語った。
渡辺容疑者はまた、「生きる希望がない人」をターゲットにしていると語り、「趣味のある充実した生活を送っている人や性欲が旺盛な人はダメ」と言った。
取材に応じた18歳女性は「みんな、りりちゃんさんを尊敬していた。本物の頂き女子で努力の結晶だなって思ってました」と話す。
この女性によると、渡辺容疑者はSNS上で「これは詐欺ではないので(警察には)捕まらない。捕まったとしてもそれをプラスにするので大丈夫」と発信していたという。
渡辺容疑者が逮捕されたことについて、女性は「驚いた。笑顔で余裕そうに見えたので捕まらないと思っていた」と話した。【森田采花】