高松市議の茂木邦夫氏(36)が市職員にパワーハラスメントにあたる言動をしたとして、大西秀人市長が議会に対応を申し入れた問題で、市議会運営委員会は30日、「茂木氏の言動は職員に対する個人攻撃ともとれ、不適切だった」と判断した。議長が茂木氏や所属会派を厳重注意し、再発防止策として議員全員のハラスメント研修を行うことなどを決めた。
一方、議運委はパワハラかどうかの判断は「議会ですべきではない」などの意見があり、示さなかった。
市長の申し入れ書によると、茂木氏は7月、放課後児童クラブ(学童保育)の民間委託を巡り、所属会派「市民フォーラム21」が議員控室で説明を受けた際、職員が事前に事実と異なる説明をしていたとし、「虚偽報告の場合、処分がある」と発言。職員は否定したが、その後の市議会の委員会でも「虚偽説明」などと指摘した。職員はストレス性障害などと診断されたという。
議運委の正副委員長や3会派の幹事長を務める委員ら5人の聞き取り調査に対し、茂木氏は「個人的に攻撃する意図はなかった。市民の代わりに不明瞭なことを明らかにする議員の質問権を過度に制限すべきではない」と反論していた。
同委はこの日、聞き取り調査や録音データの内容を踏まえ「申し入れは、概ね事実確認ができた」と判断。意見を求めた弁護士の「形式的にはパワハラに該当しうる」との見解を踏まえ、「確かな証拠もない事柄に対し、罰則を持ち出して 執拗 に個人を追及した」とし、茂木氏や会派に職員へ謝罪するよう求めることなどを決めた。
同委では、同会派の大西智会長も傍聴し、「職員に負担をかけ、行政、議会運営にも影響を及ぼした。会派として 真摯 に受け止める」として謝罪した。
茂木氏は終了後、取材に「本来であれば事実認定は第三者の専門家を交え、公開の場で公平に進めるべきだが、今回は違う。今後の対応は弁護士と相談したい」と語った。