京アニ公判 京アニ3作品を法廷で再生、「パクられた」青葉被告主張の場面か

36人が死亡し、32人が重軽傷を負った令和元年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第2回公判は6日午後も京都地裁(増田啓祐裁判長)で続いた。検察側は証拠調べの中で、被告側が「パクられた」と主張するとみられる京アニ制作の3作品の一部シーンを明らかにし、法廷で動画を再生した。検察側は今後、京アニ側の盗用がなかったことを立証するとみられる。
検察側は、被告の小説と京アニ作品を対比させた証拠を明らかにした。3作品は「Free!」「ツルネ―風舞高校弓道部―」「けいおん!」の一部場面。
具体的には、作品中で学校校舎の壁にかけられた垂れ幕が風に吹かれるシーンや、登場人物が割引の肉を買おうとするシーン、主人公が夢の中で後輩に「留年したよ」と告げられるシーンだった。
検察側はそれぞれのシーンの動画再生に続き、被告が書いた小説の中に出てくる場面を簡潔に説明した。それによると、被告が公募の「京アニ大賞」の長編部門に応募し、落選した作品「リアリスティックウェポン」の中で、ヒロインが買い物で50%オフの総菜を買いあさる場面などがあったとしている。
検察側は5日の初公判でリアリスティックウェポンなどについて、被告が約10年をかけた渾身(こんしん)の力作だったが、京アニ大賞で落選。京アニ側へ恨みを募らせたと指摘していた。
また被告は捜査段階から動機に関し「作品の盗用」を一貫して主張。実際、京アニの公募に小説を送っていた形跡はあったが、形式審査などで落選しており、同社は盗用を否定している。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする