国会質問を依頼するメール、秋本真利議員側から押収…洋上風力汚職

洋上風力発電事業を巡る汚職事件で、秋本 真利 ・衆院議員(48)(受託収賄容疑で逮捕)が「日本風力開発」(東京)側から青森県での事業に関して国会質問の依頼を受けていたことを示すメールが残され、東京地検特捜部が押収していたことがわかった。特捜部は、受託収賄罪の成立に必要な「請託」を示す証拠の一つとみて調べている。
秋本容疑者は7日、同社の塚脇正幸・前社長(64)から依頼(請託)を受けて国会質問などで便宜を図った見返りに、2019年3月~23年6月、計約6140万円の賄賂を受け取った疑いで逮捕された。秋本容疑者は容疑を否認している。
関係者によると、メールは19年2月、秋本容疑者の事務所関係者から秋本容疑者に発信されていた。事務所関係者が同社側から青森県の海域に関わる国会質問の依頼を伝えられ、秋本容疑者に報告する内容だった。メールは秋本容疑者の関係先の捜索で見つかった。同社側にも同じ内容のメールが残されていたという。
同社は当時、同県・陸奥湾での事業参入を目指していた。依頼を受けた秋本容疑者は同月27日の国会で、同県海域で防衛関連施設が事業に及ぼす影響などを質問し、施設を理由とした過度な規制を避けるよう訴えたほか、「洋上風力が青森県でもしっかりと展開されるべきだ」と述べていた。
秋本容疑者は翌3月、衆院議員会館の事務所で、日本中央競馬会(JRA)の個人馬主登録に必要だとして、塚脇前社長から現金3000万円を借り入れた。借金は約半年後に返済されたが、特捜部は、秋本容疑者が国会質問への見返りとして、賄賂にあたる「金融の利益」を得ていたと判断している。
在宅のまま贈賄容疑で捜査を受けている塚脇前社長は特捜部の事情聴取に対し、秋本容疑者への資金について「国会質問への謝礼の趣旨があった」と供述。秋本容疑者は逮捕後、「日本風力開発の利益のために国会質問をしたことはない」とするコメントを出している。

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