早くもインフルエンザが異例の拡大 沖縄は夏季で4年ぶりの注意報発令

全国でインフルエンザ感染が異例のスピードで拡大している。沖縄県は夏季では4年ぶりとなる注意報を発令し、例年より2~3カ月程度早く9月に流行期に入った自治体も続出。免疫力の低下や、今年5月からの新型コロナウイルスの5類移行による人流の活発化などが背景にあるとみられる。
厚生労働省の統計によると、コロナ禍で外出自粛などが行われた令和2、3年はインフルエンザの流行は収まっていたが、昨年12月から状況が変化。全国の定点医療機関から報告された1機関当たりのインフルエンザの患者数は、流行の目安とされる1人を超える状況が続いている。
今年9月10日までの1週間は前週比75%増の4・48人に上った。都道府県別で最も多いのは沖縄県で13・43人。基準値とされる10人を超えたことから、14日に注意報を発令した。
福井県では1・41人の患者が報告された。前週の倍近くに増え、流行期に入った。9月に流行期に入るのは6年ぶりで、例年より2カ月早いという。
高知県も前週の5倍超の3・11人に急増し、流行期入り。県内の乳幼児施設では園児など10人が感染し、集団発生が確認された。
東邦大の舘田一博教授(感染症学)は、「インフルエンザにかからずに免疫力が低下していることに加え、人の動きが活発して感染リスクが高まっている」と指摘。「コロナとインフルエンザを同時に検査できるようになって、インフルエンザの流行が見えやすくなった」とも語る。
その上で、手洗いやうがいなどの基礎的な予防対策を呼び掛け、「発熱したら医療機関を受診し、投与薬を活用してほしい」としている。

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