新潟市中央区でおととし8月、91歳の女性を殺害し、現金が入った財布などを奪った罪に問われている男の裁判員裁判で、新潟地方裁判所は、丸山與次郎被告(73)に、懲役30年の判決を言い渡しました。
求刑通りの判決でした。
起訴状などによりますと、丸山被告は2021年8月、新潟市中央区栄町の住宅で、この家に住む五十嵐ツエさん(当時91)の首を包丁で刺して殺害し、現金2082円が入った財布などを奪った罪に問われていました。
事件は丸山被告が「知人のおばあさんを包丁で刺した」と自ら110番通報したことで発覚し、当初警察の調べに対して「殺してでも金が欲しかった」という趣旨の供述をしていましたが、その後、9月20日に開かれた初公判では、「金を奪おうとして殺したのではない」と起訴事実を一部否認しました。
冒頭陳述で検察側は、丸山被告は金銭的に困窮していて起訴前の捜査段階で、殺害の目的について「被害者を殺して金を奪うしかない」と供述していたことなどから強盗殺人罪が成立すると主張。
一方の弁護側は、金銭的困窮から「被害者からお金を借りられないと生きていけない」という考えに支配されていて、殺害はしたが、丸山被告が女性を殺害後、財布などが目に入ったために持ち去ったと指摘し、殺人と窃盗の罪にとどまると主張し、対立していました。