「自主解散しか…」「存続を」 旧統一教会巡り宗教学者と信者が議論

政府が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令請求について詰めの作業に入る中、現役の2世信者でつくる「信者の人権を守る二世の会」が1日、東京都内で討論集会を開いた。参加した宗教学者の島田裕巳氏は「教団の自主解散」を提言し、「教団存続」を訴える信者側との討論は白熱した。
島田氏は、文部科学省が12日にも解散命令請求の方針を宗教法人審議会で説明すると報道されていることについて触れ、「国は本気で解散させる方針を貫いている。教団は相当深刻に受け止めた方がいい」と指摘した。
信者側に「どうしたらいいですか」と問われると、島田氏は「(教団の)自主解散、関連団体も全て解散するしかない。信仰があるなら、自分たちの信仰に基づいてやり直すのが一番重要だ」と提言した。その上で「少なくとも(教団の)一体どこが間違っていたのか、さかのぼらないといけない」と話し、霊感商法などの問題を起こした体質の検証を求めた。
これに対し、「二世の会」代表の小嶌希晶(こじま・きあき)さん(28)は「何も知らない世代としては納得できない」と困惑。島田氏は「1世(の信者)がやってきたことが問題だ。そこ(検証)をしないと世の中の人たちは納得しない」「なぜこれだけ批判されるのか原因をつかまないとダメだ」と訴えた。
小嶌さんは「アドバイスしてくれたことに感謝したい。私たちも(教団の)変えていくべきところは変えて、伝統として誇りに思っているものもあるので、そこは受け継ぎながら、解散ではなく存続していく方向で祈りながら頑張っていきたい」と語った。【田中裕之】

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