自民党の杉田水脈衆院議員が、「民族衣装のコスプレおばさん」などと、在日コリアン女性への差別的な内容を2016年にブログ等で投稿したことについて、大阪法務局が先月「人権侵犯」と認定したことが分かりました。被害を申告した女性がMBSの取材に応じ、「認定がインターネット上での誹謗中傷の歯止めになればいいと思う」などと話しました。 ▼ブログで「民族衣装のコスプレ」「小汚い」と誹謗中傷を展開した杉田氏 被害を訴えた在日コリアン3世の女性によりますと、女性ら3人は、2016年にスイスのジュネーブで開かれた、女性差別撤廃を話し合う国連の会合に、朝鮮半島の民族衣装「チマチョゴリ」を着て出席しました。 同じ会合に出席した自民党・杉田水脈衆院議員が、『日本国の恥晒し』というタイトルで、「チマチョゴリやアイヌの民族衣装のコスプレおばさんまで登場。完全に品格に問題があります」「小汚い」などとブログに投稿しました。 杉田氏は同様の投稿をSNSでも行ったということですが、当該の投稿は削除されています。 ▼“泣き寝入りはできない”と被害申告 女性によりますと、杉田議員の投稿に憤りや恐怖を感じたものの、インターネット上のさらなる中傷などを恐れ、なかなか被害申告に踏み切れなかったということです。しかし杉田議員がその後も、LGBTQなどへの差別的な言動を繰り返していることを受け、“泣き寝入りはできない”と思って、人権侵犯被害を申告することを決意したといいます。 今年2月に大阪法務局に被害を申告。大阪法務局は今年9月に、一連の投稿を「人権侵犯」と認定し、杉田議員に対し「啓発」を行ったということです。 女性が大阪法務局と法務省の担当者から、人権侵犯認定について説明を受けたのは、10月18日(きのう)。しかし担当者から、認定の理由など詳細は明かされず、また杉田議員に行った「啓発」の内容についても明かされなかったということです。 また担当者は、「投稿がすでに削除されているため(啓発より上位の措置である)説示・勧告は行わなかった」という旨の説明をしたということです。 女性は、「法務省・法務局の担当者が詳細を明らかにしなかったのは不満だ」と話すいっぽう、「人権侵犯が認められるか不安だったので、まずはホッとした。今回の認定が、インターネット上での誹謗中傷行為の歯止めになればいいと思う」と話しました。 ▼札幌法務局も人権侵犯と認定杉田氏「コメントすることは何もない」 民族衣装着用を揶揄した杉田議員の投稿は、今年9月に、札幌法務局も人権侵犯と認定しましたが、自民党はその後、杉田議員を党の環境部会長代理に起用しています。 杉田水脈議員は10月19日、報道陣の取材に対して、「すでに削除して謝罪しているので、コメントすることは何もない。」と話しました。